宇宙空間(スペーススペース)

僕が毎週日曜日、言葉遊びをこねくり回す空間。

冷蔵庫

冷蔵庫を開ける。そこには隙間なく、生命維持装置が敷き詰められており、血液だろうか、赤い液体をどこか供給し続けるポンプの回転音とコンピューターのノイズ音が、この白い部屋に、冷気とともに漏れ出した。精神病院。太陽光とは無縁の地下四階。その無機質さはむしろ何者かの気配を浮き彫りにさせる。どこからか視線を感じるのだ。いや、そんなことはどうでもいい。僕は冷蔵庫の野菜室を開けた。そこにはチューブとプラグに繋がれた、おそらくは人間のものであろう脳があった。表面を太い血管が脈打っていることから、この脳は生きていて、そしてこの冷蔵庫はこれを生かすためのにあるのだと思った。金属のプレートに「被験体六号」とある。おそらく、これは、僕だ。笑い声が聞こえる。