宇宙空間(スペーススペース)

僕が毎週日曜日、言葉遊びをこねくり回す空間。

シン・ゴジラを見てきた

ツイッターをはじめネットの批評家共を、蜂の巣を火のついた棒でつついたように騒がせている庵野秀明監督のシン・ゴジラ。猫も杓子もその話題で持ちきりといった感じなので、僕はいてもたってもいられず、平日だというのに、23時20分上映のごく遅いレイトショーを見てきた。僕は所謂ネタバレだとかを全く気にしないタチなので、事前に情報をかき集めていた。その断片的な情報を要約して「せいぜい二時間たっぷり使った贅沢なヤシマ作戦みたいなもんだろう」とタカをくくっていた。いや、それは決して間違いではないと言えるが、ただ途方もなく言葉足らずだ。

ヤシマ作戦というのは結局、俯瞰の視点からの話だったんだよな。でもシン・ゴジラは違う。臨場感と言い切ってしまうにはあまりにダイレクトな「自分自身の死」を感じた。ゴジラと目が合った瞬間だとか、それを感じるタイミングはいくつもあって、なおかつ、倒壊した家屋に巻き込まれた死人だとか、そういう描写を必要最低限にした結果、自分が感じた死が、他人のそれによってボやけたりしないのだ。

大勢の人間が協力して、一つのミッションを遂行していく。という熱さはヤシマ作戦と共通するものがあるが、それを見る我々の視点が俯瞰ではなく、地に引きずり降ろされた状態なので、完全に別物なのである。正直舐めてました。僕自身はネタバレ気にしないけれど、そのスタンスを他人に強いることはしたくないので、余計なことを書く前にこの辺で。